コラム
遺品の整理に買取業者を使うメリット
多少の心づもりをしていたとしても、自分の縁者が亡くなれば、あとに残された方には様々な「やらなければならないこと」が押し寄せてきます。
まず葬儀からはじまって、役所への届出や相続など諸々の手続きと、期限があるものもないものも、絶え間なく「やらなければならないこと」が出てくるのです。
そこを縫って遺品の整理をすることになりますが、これもかなりの負担になるので、昨今はそこをお手伝いする不用品回収業者や遺品整理業者が増えてきています。
不用品回収業者は引越しなどで出た不用品を引き取って処分するサービスですが、遺品の整理なども兼ねていることがあります。
遺品整理業者は、遺品整理士の資格を有するスタッフなどを抱え、遺品の整理を主に行うサービスです。
買取業者の場合、遺品に限定した扱いではなく、単純に不用品の買取ということになりますから、遺品の整理にかかる費用を少しでも補填する手段として、これを利用しない手はありません。
一見似たような業者ですが、業者ごとに対応しているサービスと、していないサービスがありますので、ここで紹介しようと思います。
遺品整理に伴って発生する作業とは
遺品整理の際に、遺族がしなければならないことを考えてみましょう。
まず、残された品々を要るものと要らないものに分け、さらにごみとして処分するものを、住まいが在る自治体のルールに従って分別しなければなりません。
書類や手紙などが見つかった場合、重要なものである可能性があるので、むやみにごみとしてしまわないよう、注意が必要になります。
その中から故人が誰かに残したいという意思を示していたものがあれば、相続とは別に形見分けという形で譲渡します。
もし故人が高齢で独り暮らしをされていた場合、残された品々の中に、大量のごみが含まれていることがあるかもしれません。
病気や加齢によって、身の回りの片付けや、ごみ捨ての気力や体力がなくなって、半ばごみ屋敷のような状態で暮らしている方も増えていることから、これはまま見られるケースでもあるようです。
実はこの、ごみの分別や片付けというところで、多くの方が行き詰まってしまうのです。
1つの家に何世代かで同居していた時代なら、片付けなども家族や親類が集まって、作業を分担し、力を合わせて対応できたかもしれません。
しかし、核家族化や独居世帯が増えた昨今では、近くに親戚などが居ない、あるいは居ても高齢で手助けが期待できないなど、様々な要因で遺品の整理を自力で行うこと自体が困難になってきているのです。
例えば大型の冷蔵庫やクロゼットなどは、いくら体力があったところで、1人で運び出すのは不可能に近い作業でしょう。
不用品回収業者や遺品整理業者が増えているのも、こうしたニーズを背景にしていることが伺えます。
遺品整理の業者とは
不用品回収・処分業者は、遺品に限らず、引越し時などに不用品の回収や処分を行っています。
この業態を持つ事業者は非常に数が多く、不用品の回収だけを行う業者、遺品整理士をスタッフに持ち、遺品整理の業務も行う業者、古物商許可を持ち、不用品の買取も行う業者など、そのサービス内容も様々です。
中には遺品整理を専門に行う業者もあれば、この中からいくつかの業態を合わせた業務を行うなど、様々な形でをとっています。
なお、不用品回収業者に依頼する場合は、不用品を全てそのまま引き取るのが基本なので、自治体にごみとして出す時のように、細かな分別や運び出しをする必要はありません。
また、大型の家具や家電も、業者側のスタッフが運搬しますから、家から運び出したり、トラックに積み込んだりの作業は必要ありません。
1人で途方に暮れていた片付けが、業者に依頼した場合は1日かからずに終わってしまうケースもあるので、遺品整理業者や不用品回収業者のニーズは、こういったところから高まっているのかもしれません。
遺品・不用品の買取業者とは
買取業者は、売買が可能なものを買い取って、リセール(再販)を行います。
いわゆるリサイクルショップやアンティークショップと、売買の流れは同じです。
買取に特化した業者であれば、依頼人が骨董品などの価値に気付いていない場合でも、的確な査定額を出すはずです。
有名ブランドのバッグや高級時計、カメラがあるなどの場合も、買取査定で高値がつくことがあります。
また、貴金属でも中古品という捉え方ではなく、アンティーク品としての鑑定が可能です。
そういった遺品があるようでしたら、不用品回収業者よりも先に、不用品買取業者に持ち込んでみるのも1つの方法です。
もし大量に査定を依頼する品がある場合は、出張査定をしている業者もありますので、相談してみることをおすすめします。
フリマアプリなどを利用するのも1つの方法…とはいえ
メルカリなどに代表されるフリマアプリや、ヤフオクのようなネットオークションへの出品も1つの手段ですが、画像の撮影や説明文の記入などの手間がかかるのがネックです。
しかし、自分の希望する売値を付けられるのはメリットで、思いの外高い価格で売却が進む可能性もあります。
一方で、取引中のやり取りは個人間で行いますから、購入者や落札者との連絡や、梱包・発送作業から宛名の出力までをこなすのは、慣れないと負担が大きいかもしれません。
また、あまりネットに馴染んでいない場合だと、利用者登録から規約の理解、システムの使い方など、ややハードルが高いと感じることもあるでしょう。
そして1番の問題は、出品すれば必ず売れるとは限らないことです。
どんなに状態が良いものでも、ニーズがなければいつまで経っても売れ残ってしまいますから、特に遺品整理を終わらせる期限を設けている場合は、買取業者に依頼した方が、スムーズに片付けが済むことでしょう。
買取も行っている遺品整理業者に依頼する
骨董的な価値があるものは見当たらないが、家電や家具がまだ新しくて綺麗な状態であれば、買取も行っている遺品整理業者に依頼するのが、片付けをスムーズに終える近道です。
業者のホームページなどを見て、どこまで対応しているのか調べてから見積りの依頼をしてみましょう。
古物商許可や遺品整理士の所属があるかどうかも、その時に確認してください。
遺品整理の費用から買取金額を相殺する形になりますから、3、4社から見積りを取って比較検討することが大切です。
残されたものをお金に替えることに後ろめたい感情を持つ方がいらっしゃるかもしれませんが、遺品をきちんと整理することは、故人への敬意の現れに違いありません。
遺品の整理に手を付けず、放置したりむやみに処分してしまうのではなく、使ってくれる人の元へ届けることは、故人の供養にもつながります。
また、遺品を整理して区切りをつけることで、残された方々が気持ちを切り替えて新たな生活を送るきっかけにもなるのです。
ぜひ優良な遺品買取業者を選定して、前に進むサポートとして役立ててください。