コラム
遺品整理を専門業者に依頼するメリットとは
昨今では「遺品整理」というワードも、一般的になってきたのではないでしょうか。
遺品整理というのはその通り、遺品を整理する作業を指しています。
核家族化が進み、さらに独居世帯が多くなったこともあり、しばらく帰らなかった実家で独り生活していた親が、突然に旅立ってしまうというようなケースも増えてきています。
特に、突然遺族になってしまった場合など、途方にくれているという方も多くいらっしゃるのが現状です。
そういった場合、葬儀の手配や役所への届出、様々な手続きを済ませるのと共に、遺品の片付けもしなければなりません。
特に長らく住んでいた場合、家の中には相当な量の遺品が遺されていることでしょう。
住まいと片付けなければならない家がある程度近い距離であれば、通いながら整理することもできるかもしれませんが、距離がある場合には、それも容易ではありません。
そういった悩みを抱える方が多いこともあって、昨今では遺品整理を専門に行う業者も出てきています。
そこでここでは、遺品整理を業者に依頼した場合のメリットとデメリットを、お伝えいたしましょう。
遺品を片付けるのが実家なら、まだ勝手がわかるかもしれませんが、そうではなかった場合、本当に何がどこにどれくらいあるのかさえわからず、何から手を付けていいのか途方に暮れてしまうことでしょう。
遺されたたものの中には、重要な書類などもある可能性から、不用なものとして一気にごみにしてしまうわけにも行きません。
比較的整理整頓をして暮らしていた方ならまだしも、廃棄する不用品と、遺品として残すものを分けることは、困難を極めると思っておくべきでしょう。
また、その家を売却するなどで片付けるのに期限が設けられていた場合、集中して通わなければ片付けを終えることもできません。
不用になった家具などの処分、ごみの分別と処分、運び出しなど、かなりの労力が必要になると考えられ、親戚などに手伝ってもらえる場合ならともかく、自力で短期間に遺品整理を済ませるのは、かなり無理がありそうです。
遺品整理を業者に依頼するメリットとは
遺品整理がかなり大変な作業になることから、整理を専門にする業者も増えてきています。
業者が増えているということは、利用する方も増えており、それなりのニーズがあるということになるでしょう。
遺品整理を業者に依頼した場合のメリットが、下記になります。
家具など重い物の運び出しが不要
家具などの一般的な処分方法は、各自治体に粗大ごみとして処分を依頼することです。
しかしその場合、ごみの集積所や家の前など、指定の場所まで粗大ごみになるものを、運び出さなければなりません。
人手がある場合はそれも可能でしょうが、分解ができない家具などでは、移動するだけでもかなりの労力が必要になってしまいます。
また、テレビや冷蔵庫、洗濯機などは、家電リサイクル法の対象となっています。
買い換える場合なら、家電量販店などが有料で回収に応じていることもありますが、自治体では家電リサイクル法の対象になっている家電の回収自体を受け付けていません。
一方、遺品整理業者であれば、粗大ごみの家の中からの運び出しやトラックへの積み込みなどにも対応しているので、自力で無理をして移動させる必要はありません。
多くの場合、業者は不用品回収業も兼ねているので、家電リサイクル法の対象物であっても、そのまま処分の依頼ができます。
遺品整理を短時間で終えることが可能
遺品の中から出たごみを自治体のごみ回収に出す場合は、当然ですが、その自治体のルール通りに分別しなければなりません。
ごみと遺品を分けるだけでも大変ですが、さらに燃やせるごみ、資源ごみなど細かく分けておかないと、回収自体を拒否されてしまう可能性もあるのです。
また、もし住まいから遺品整理をしなければならない場所までが遠かった場合、移動するだけでも時間と費用がかかってしまいます。
手伝ってくれる友人や親戚を頼めたとしても、その交通費は負担しなければならないでしょう。
遺品整理のために仕事を休まなければならなかったり、人手を確保する煩わしさはかなり大変だと思えます。
遺品整理業者に依頼するメリットは、その手間や時間を大幅に短縮できるところも大きいのです。
業者の場合は数人のチームで来訪して、依頼者の指示に従って、分別から運び出しまでをスムーズに作業を終えることが可能です。
ごみの分別についても、不用品を一括して回収するので、仕分ける必要がなくなります。
無論、現場の広さや遺品の状況などにもよりますが、最短なら数時間で作業を終えることも珍しくはありません。
遺品の供養も依頼できる
残されたものの中には、供養が必要なものもあります。
仏壇や神棚などは、ごみとして出すことは考えられません。
遺品整理業者であれば、寺社とのつながりがあることも多く、そういった品の供養の手配もスムーズに行なえることでしょう。
遺品の買い取りを行う業者もある
もし、遺品の中に状態が良い家具や家電があった場合、買い取りをしている遺品整理業者であれば、対応が可能です。
遺品整理の費用との相殺になりますから、費用を抑えることとともに、残された品物もただごみとなってしまうことがなくなって、ごみの削減にも貢献する形になります。
遺品整理を業者に依頼するデメリットとは
では、遺品整理を業者に依頼するデメリットとは何でしょう。
費用がかかる
デメリットがあるとすれば、この1点に尽きるでしょう。
遺品整理を業者に依頼した場合、自力で粗大ごみなどを処分するよりは費用がかかります。
しかし、粗大ごみの移動や処分費用、車両の調達費用や作業にかかる人件費などを考えてみれば、納得できる金額ではないでしょうか。
体力的な負担と、遺品の山を整理しなければならないという精神的なプレッシャーからも短期間で開放されることを考え合わせると、それなりの費用をかけることは、選択肢の1つだと考えられるでしょう。
もし、遺品の1つ1つを丁寧に確認し、思い出に浸る時間があって、自力で重くて大きい家具や家電を運べるような方であれば、遺品整理業者は必要ないかもしれません。
遺品整理業者にも様々あり、中にはただそう名乗っているだけの場合もあるようです。
なお、遺品の整理を業者に依頼する場合は、遺品の整理に適切な対応ができる、遺品整理士の資格を取得したスタッフが在籍していることを必ず確認するようにしてください。
そういった業者であれば、故人に対する想いなどをきちんと汲み取りながらの作業ができるはずです。