コラム
温暖な気候の古都として名高い鎌倉市での不用品回収とは
鎌倉を知らないという人は、まず居ないでしょう。
それまで朝廷が支配していた中武家政権が本格的に統治をはじめ、朝廷と並んで全国統治の中心となったのが、日本の歴史の時代区分の一つである鎌倉時代です。
相模国鎌倉に置かれた鎌倉幕府は、いわば源頼朝の私的機関ではありましたが、問注所と呼ばれる訴訟機関を設置するなどして、それまでは争いごとが起きれば容易に武力闘争に発展していたものをそうならないよう努め、その後の幕藩体制にまで続く新しい統治理論を構築した形となりました。
また、その後に起こった南北朝時代の際には鎌倉将軍府が成立し、現在も残る鎌倉街道をみると、往時の繁栄のほどが伺えます。
とはいえ、室町から戦国時代を経て鎌倉府の権威は衰退して、やがて徳川家康の支配下に入りました。
鎌倉市は海も山もみられるような自然の風土にも恵まれ、多くの神社仏閣が集まることなどから観光地として、また創作作品の舞台として、今では訪れる人が非常に多くなっています。
今回は観光都市となった鎌倉市の、ごみや不用品の回収事情をご紹介しましょう。
鎌倉市は神奈川県南部、三浦半島の付け根に位置しています。
市域の南側は相模湾に面しており、北東側は横浜市、南東側は逗子市、西は藤沢市と隣接しています。
相模湾に面した側以外の三方は低い山に取り囲まれており、天然の要害として利用されてきましたが、現在の市域は山に囲まれた外側も含まれています。
古には鎌倉市の市域に鎌倉郡の郡衙が設置され、周辺を支配する豪族・鎌倉市の本拠地でもありました。
鎌倉時代、南北朝時代には関東統治の中心地となりましたが、室町時代以降は衰退してしまいます。
戦国時代に入ると小田原の北条早雲が鎌倉周辺に進出し、軍事拠点としたものの、北条氏の滅亡後は江戸に置かれた徳川幕府の支配下に入ります。
しかしこのことで鎌倉市域の寺社の復興が進んで、江の島の江島神社などへの参拝目的の「講」が盛んになり、今でいう観光ルートのようなものに鎌倉周辺が含まれることとなりました。
明治期に入った1889年(明治22年)、東京と軍港であった横須賀を結ぶ横須賀線が開通して、同時に鎌倉駅が開業します。
東京から近く温暖な気候の別荘地として、皇族や華族、政財界の有力者の別荘ができはじめると、避暑地や海水浴場として知られるようにもなり、鎌倉は観光地として一気に知名度が上がりました。
鎌倉市の中心地が三方を山に囲まれていることは要害としては利点ですが、逆にいうと急傾斜地が多く、平地が少ないという一面もあります。
南北に細長い形状の平坦なエリアの最も奥には鶴岡八幡宮が鎮座しており、そこに至るまでの海から一直線に通った平地部分が八幡宮への参道となっています。
JR横須賀線・湘南新宿ラインはこの参道を突っ切るような形で走っていて、鎌倉市の中心的な商業地は参道西側に位置する鎌倉駅周辺です。
鎌倉の中心地では元々少ない平地に人が住み店舗が建ち並んでいて、もとより道が狭いので、休日などにみられる人もクルマも大渋滞といった様相は、鎌倉の風物詩といえそうです。
古来よりの鎌倉と呼ばれた地域の外側になるのは市域の西側になりますが、そちらへは鎌倉駅が起終点駅である人気の高い江ノ島電鉄・通称江ノ電や、市域の北西部に位置する大船駅を起終点駅とする湘南モノレール、東海道本線・上野東京ラインを使っての移動が可能です。
この大船駅周辺にはかつて松竹大船撮影所が在り、今は大手企業の製造拠点が置かれるなどしていて、鎌倉駅周辺とはまた違った賑わいを見せています。
では、歴史ある観光地である鎌倉市の、ごみ分別ルールがどうなっているのか、ご紹介いたしましょう。
自治体での回収
鎌倉市ではごみの種類を、燃やすごみ、燃えないごみ、飲食用カン・ビン、容器包装プラスチック、ペットボトル、植木剪定材、紙類、布類、危険・有害ごみ、使用済み食用油、製品プラスチック、粗大ごみ、大型粗大ごみ、臨時ごみに分けていて、回収に出すにはそのルールに従って分別しなければなりません。分別をきちんとしたうえで、決められた曜日に決められた集積所に出す必要があります。
燃やすごみ ※鎌倉市の有料袋(指定収集袋)に入れて出す
生ごみ、アルミホイル、汚れた紙(ティッシュ、クッキングペーパー)、保冷剤、油のついたピザ箱、ゴム、ビニール製品、衛生用品(包帯・生理用品)、ライター類(使い切ったプラスチック製のライター)、容器包装プラスチックや製品プラスチックを除くプラスチック製品など
燃えないごみ ※鎌倉市の有料袋(指定収集袋)に入れて出す
- ・ガラス製品
- ・金物類(鍋、フライパン、やかん など)
- ・傘
- ・小型家電
- ・ペンキや化粧品などのカン、ビン
- ・ビンの王冠や金属のふた
飲食用カン・ビン ※コンテナで回収される
- ・飲食用カン(アルミ、スチール)
- ・飲食用ビン(ガラス製)
※ビンのふたはプラスチック製なら「容器包装プラスチック」、金属製なら「燃えないご み」に分別する
容器包装プラスチック ※プラマークの表示のある容器と包装
- ・レジ袋、ポリ袋、フィルム類(レジ袋、お菓子や詰替用洗剤のポリ袋、包んでいたフィルムなど)
- ・ボトル類(洗剤のボトル、ペットボトルマークのついていないものなど)
- ・チューブ類(ケチャップ、歯磨き粉、からしなど)
- ・発泡スチロール
- ・果物など包んでいるネットなど
ペットボトル ※”PET1”の表示のある清涼飲料水やしょう油等の空き容器
→ふたとラベルは容器包装プラスチックに出す
植木剪定材 ※剪定した植木の枝や葉、落ち葉などが対象
- ・植木の枝
- ・葉、草、落ち葉
- ・竹、笹
- ・シュロ類
紙類
- ・ミックスペーパー
- ・新聞紙
- ・雑誌・古本
- ・ボール紙・クラフト紙
- ・紙パック
- ・段ボール
布類
危険、有害ごみ
- ・蛍光管、電球
- ・乾電池、リチウムコイン電池(CRまたはBR表記)
- ・体温計、温度計・血圧計など(水銀使用のもの)
- ・スプレーカン、カセットボンベ
- ・割れたガラス製品、陶磁器、鏡、刃物類
使用済み食用油
※サラダ油、コーン油、菜種油、オリーブオイルなど植物性の油が対象
製品プラスチック ※容器包装プラスチック以外のプラスチックでできている製品
→ザル、植木鉢、CDやCDケース、折れたハンガー、シリコーン製、ウレタン製のものなど
粗大ごみ ※一辺の長さがおおむね50cm以上のものが対象
・有料袋(指定収集袋)に入れて袋の口が縛れる大きさの場合、燃やすごみ煮出す
大型粗大ごみ ※粗大ごみのうち、一辺の長さがおおむね1m以上で以下の品目のもの
- ・タンス、棚などの家具類(一部例外あり。クリーンセンターに要問い合わせ)
- ・ベッド、ソファーベッド(スプリング入りマットレスを除く)
- ・椅子(2人掛け以上)
- ・テーブル(天板面積1.2平方メートル以上)
- ・机、製図台
- ・オルガン、電子オルガン
- ・解体したスチール製の物置で床面積が1.65平方メートル以上3.3平方メートル未満のもの
- ・マッサージチェアなどの健康器具
臨時ごみ(引越しごみや片付けごみ)
※引越しや片付けなど、臨時的に大量に出るごみ(45㍑相当の透明・半透明の袋で5袋を超える場合)は臨時ごみになる→臨時ごみは市に収集を依頼するか、クリーンセンターへの持ち込みのみとなる
※粗大ごみ、大型粗大ごみ、臨時ごみは有料で、一般ごみと一緒に集積所へは出せない
※各クリーンセンターに事前に申し込む必要がある
→形態や品目については鎌倉市のホームページで確認すること
各クリーンセンターに電話、またはインターネットで申し込み、粗大ごみシールをコンビニエンスストアなどで購入します。
収集日当日は粗大ごみシールを粗大ごみに貼って、収集場所に出しておくという手順ですが、臨時ごみは立ち会いが必要になりますから、ホームページなどで確認してください。
粗大ごみの収集場所は、一戸建て住宅の場合は屋外(敷地内)の積みやすい場所、集合住宅の場合は1階のわかりやすい場所になります。
また、鎌倉市ではクリーンセンターへの直接申し込みも行われています。
こちらも電話で予約をしてからの持ち込みになります。
※変更されている可能性もありますから、詳細は必ず鎌倉市のホームページなどで確認してください。
不用品回収業者の場合
粗大ごみの回収を鎌倉市に依頼した場合、希望の日にちに収集が行われるとは限りません。
混雑状況で希望通りにならないこともあるので、引っ越しなどで日にちに期限がある場合は、はやめに申し込みをしておいた方が良いでしょう。
なお、市の職員は、家や部屋の中からの粗大ごみの搬出はしないので、収集場所までは自力で運び出さなければなりません。
もし一人暮らしで自力で運び出せないようなものなら、手伝ってくれる人の手配を考えておく必要があります。
しかし不用品を粗大ごみとしてではなく、不用品として業者に回収依頼をしたなら、そういった心配は要りません。
不用品回収業者に依頼した場合は、部屋からの運び出しを含め、全て業者のスタッフが作業を行います。
ですので、どうやって運び出そうかと考える必要はなくなります。
また、ごみに出すには分別しなければならない細かい不用品が数多くある場合も、回収業者になら全てまとめて任せることが可能。
費用はかかりますが、諸々の面倒ごとを解消してくれる不用品回収業者、利用しない手はありません。
不用品の点数が少なくて、ごみの分別に使える時間もたっぷりある、重いものを運ぶのも大丈夫という場合は、不用品の回収は鎌倉市に依頼するのが最も安く処分する方法になります。
しかし処分したい不用品の数が多かったり、大型で運ぶのが困難であれば、不用品回収業者に依頼することをおすすめします。
ごみにしてしまうものにお金をかけたくないというのはわかりますが、自分では持ち上げることができないものを運んだり、分別の手間の代行をするのですから、対価を払うのは当然のことでしょう。
住宅街などを「こちらは不用品の無料回収業者です」というようなアナウンスを流しながら軽トラックで巡回している業者がありますが、「トラックに積み込むところで見積もりの金額の2倍の料金を請求された」とか、「無料のはずだったのに、トラックに積み込んだ後で法外な運搬費用を請求された」など、様々なトラブルの相談が寄せられているので、安いというワードだけに惑わされないよう、注意してください。
不用品回収業者は、ホームページなどで業者の会社概要や料金プラン、これまでの実績などをきちんとチェックして、慎重に選ぶようにしましょう。