コラム
不用品回収で増えているトラブルに注意!
昨今の片付けや断捨離ブームで、身の回りの整理をはじめたという方、多くいらしゃるのではないでしょうか。
知らず知らずのうちに増えていく身の周りのもの。
数年袖を通していない服や、ちょっと可愛いなと思ってつい買ってしまった小物の数々…。
気がついてみたらとんでもない量のモノで家の中が溢れかえっていた、ということもあるのではないでしょうか。
また、核家族化がデフォルト状態になった今、実家に住む人も居なくなり、売却したり遺品の整理をしたりという必要性が出てくることも多いようです。
また、引っ越しの際などにも、ゴミ出しのルールや自治体で回収していない物があるなど、不用品の処分に困っている方は少なくありません。
そこで利用を考えるのが、不用品回収業者です。
恐らく、チラシがポスト投函されていたり、WEBでも広告が表示されていたりして、「そういうことをやってくれる人たちが居るんだ」くらいの認識はしておられることでしょう。
断捨離ブームなどによって、不用品回収業者を利用する方も、業者の側も増えている昨今、残念ながらトラブルも起こっているのが事実です。
そこで今回は、実際に起こったトラブルや被害の例や、そうならないための対策などを
ご紹介してまいりましょう。
不用品回収にまつわるトラブルとは?
不用品回収の作業は、依頼されたオフィスや家庭ごとで内容が様々です。
たとえばオフィスなどでは、事務機器や机、棚や、ファイルケースのようなものが多く、それなりにリサイクルが可能なものもありそうです。
しかし一般家庭となると、分別をする気が起きないほど大量な荷物が遺されていたり、荷物を運び出した後の部屋もひどく汚れていて、しっかりと清掃をしなければならなかったりと、それぞれの家庭の事情が絡んでくることが多いもの。
回収する品も、環境も、内容も、千差万別です。
そのうえ、不用品回収業者を利用する機会はあまり多くなく、そういった事情からか、国民生活センターなどにも料金面をめぐるトラブルが多く相談されています。
主なものは費用をめぐるトラブル
では実際に、国民生活センターが受けた相談から、具体例をご紹介いたしましょう。
無料とうたっておきながら、積み込みが終わった後で費用を請求された
ちょうど自転車やカーペットなどの不用品がいくつかあったので、軽トラックで「こちらは無料回収車です」などと流しながら巡回している業者に、回収を依頼した。
しかし、積み込みが終わったあとで電卓を取り出したので、驚いて有料なのかと問いただすと、回収は無料だがリサイクル料金はかかると言われ、仕方なく2万500円を支払った。
トラックに積み込んだ後でオプション費用を請求された
引っ越しの際に本棚や折りたたみベッド、パソコン、食器などの不用品が15点ほどあったので、ポストに入っていたチラシの業者に見積もりを依頼したところ、細かな内訳の説明は無く、10万円程度と言われた。
だが、作業当日に全てを業者のトラックに積み終えたあとで、思ったより多かったから全部で23万円になると言う。
引っ越しの期日が迫っていたので、納得はできなかったが全額を支払った。
領収書はあるが、見積書は渡されなかった。
無料といいながら実際は費用を請求された
不要になった家電を無料で回収するとトラックでアナウンスを流しながら回ってきた業者に、テレビの回収を依頼した。
すると、回収費用に2,000円かかると言われたので、無料と言っていたと反論すると、全てが無料と言うわけではないと高圧的な態度に出てきた。
断るに断れなくなり、結局2,000円を支払って回収されたものの、領収書は渡されなかった。
回収を依頼した品が不法投棄されていた
不用品を回収していると訪問され、ちょうど処分しようと思っていたパソコンのディスプレイや自転車の回収を依頼して、1,500円を処分費用として支払った。
後にたまたま通りかかった道路脇に、それらがそのまま不法投棄されていた。
他にも、下記のような様々な例がみられます。
・見積もりを依頼して業者を決めたのに、不用品をトラックに積み込んだ後になってから、
予想よりも多かったと言われて追加料金を請求された。
・作業当日、トラックへの積み込みが終わったところで、不用品の移動には作業費が必要だと請求され、支払いを拒否して解約を申し込むと、部屋に戻す作業費を支払うよう求められた。
・不用品の無料回収とアナウンスしながらトラックで巡回している業者に、椅子の回収を依頼した。
すると費用は配送料込みで1万円と言われ、無料ではなかったのかと断ろうとしたら、領収書を市役所に持っていけば、高齢者割引で7割が返金されると説明された。
それならばとその場で費用を支払い、後に市役所のどの窓口に行けばいいのか問い合わせると、そのような制度は存在しないと言われてしまった。
領収書に記載されていた住所や電話番号はデタラメで、結局連絡はできなかった。
以上のような実例があり、やはりトラブルとして最も多いのは、回収費用にまつわるものです。
不用品の回収には複数の業者から見積もりを取るのが一般的な方法です。
各業者の提示する料金には差があるので、その料金には一体なにが含まれているのかを、見積もりの段階できちんと確認しなければなりません。
見積書を出さない、うちはやっていないなどと言う場合は、そもそも違法業者であることが多いのです。
見積もり段階で費用の内訳の提示を面倒そうにしたり、曖昧な答えをするような業者とは、取り引きをしないことが危険回避の第一歩でしょう。
また、追加料金が発生するのはどのようなケースがあるのか、そこも確認しておくことが必要です。さらに、支払いをするタイミングで、必ず領収書を発行させましょう。
領収書には業者の住所や電話番号が記載されているはずですから、その確認ができることと、支払いが済んでいることの証明にもなるので、忘れないようにしてください。
ただ、悪質な業者の場合、領収書に記載されている電話番号などが架空のものである可能性もありますので、そこは気をつける必要があります。
不用品回収業をめぐるトラブル例、いかがでしたでしょうか。業者の乱立とともに、質の悪い業者も増えているようなのは残念ですが、自分の身を守るためにも普段から気をつけることが大切です。
高齢者を狙っていると思われる例もありますから、見積もりの時や回収時にも1人で対応せず、家族や知り合いなどに立ち会ってもらうのも良いかもしれません。
少しでもおかしいと思ったら躊躇せず、消費者庁の消費者ホットラインなどに相談するようにしてください。