コラム
不用品回収と不用品買取業者の違いとは
近年、社会情勢の変化から生まれたゴミ屋敷や汚部屋というワードが、度々世間を賑わせています。
そこまでは行かないものの、自宅が散らかっていることに頭を悩ませている方は多いかと思います。
それを反映してか、断捨離や片付けのメソッドを記した本が売れるなど、新しい動きも出て来ているようですね。
色々と触発されて家や部屋を片付けはじめたものの、その物量にうんざりしている方や、思ったよりも手間がかかることに気がついて、片付けはじめたことを後悔している方もおられるのではないでしょうか。
また、親族が亡くなったりして、残された家などの整理をしなければならないこともあるでしょう。
そこで思い出すのは、不用品回収業者や、不用品買取業者のこと。
この面倒な作業をまるごと業者に委託してしまえば、スッキリと片付くうえに気持ちも楽になるでしょうから、一石二鳥です。
しかし一体、どの業者にどう依頼したら良いのでしょう…?
そこで今回は、不用品回収業者と不用品買取業者の違いについて、お伝えしてまいりましょう。
不用品回収業者は回収するだけ、不用品買取業者は買い取ってくれる、そんなイメージかもしれませんが、不用品回収業者が買い取りをすることもあります。
一方、不用品買取業者の場合は、主にブランド品や貴金属など、はっきり価値がわかるものの査定をして、それを買い取るというのが基本です。
不用品回収業者なら
不用品回収とうたっている場合、基本的には本当に要らなくなったものを回収することになります。
住む人の居なくなった実家の売却に向けての整理などでは、処分しなければならない物が大量に残されていることが多くあります。
古くなった家具や大量の衣服、使い込まれた家電の数々…。
ゴミ回収のルールが厳格化されている昨今、自治体ごとのルールに添った分別は必須で、きちんと分けられていないと判断された場合は、ゴミの回収自体を拒否されることも多くなっています。
それらの仕分けが要らず、まとめて対応するのが不用品回収業者で、一般家庭だけではなくオフィスなどから出た事務用品も、回収の対象になっています。
こういった業務内容ですから、回収を依頼した場合には当然料金が発生します。
不用品になるものの量は、もちろんその家庭やオフィスによって様々です。
一般の家庭の場合、一部屋や一軒という単位ではなく、各部屋にある程度まとまった不用品があるとか、できれば遺品の整理も一緒にしてしまいたいので、立ち会いのうえ分別をしながら回収してほしい、物置だけ中身も一緒に持っていってほしい、などなど…。
そういった事情があることから、まず見積もりを依頼して、双方が合意してから作業という形になります。
また、不用品の回収を依頼する側の事情が様々なように、回収する業社側のサービス内容も、それぞれ細かいところが異なっています。
問い合わせをすると、要望をなるべく受けながらやるという業者や、あれは可能だがこれは不可能という業者、あるいは格安なので要望にはほとんど応えられないという業者など、様々あると思います。
いわゆるゴミ屋敷のような状態になってしまった部屋の片付けであれば、不用品を運び出した後のハウスクリーニングも併せて依頼できる業者もありますし、遺品整理などに対応している業者なら、スタッフが遺品整理士などの資格を持っている場合も。
遺品整理士というのは、乱立する遺品整理業者に対して業務の遂行に一定のガイドラインを設けようと定められた民間の歯各区です。
遺された品の数々をより適正な手順で整理していくためのものですから、遺族の気持ちを汲み取ったうえでの丁寧な作業が期待できます。
こういったことから、見積もりを依頼することはとても重要で、細々とした料金についてもしっかり訊いて、後からオプションのような形で請求されないように気をつけることも大切です。
処分したいのは不用品ですから、なるべく低料金でと思うのは人情ですが、自分でも面倒だと思うことをやってくれる手間だと考えて、あまりにも安い料金を提示してくる業者には、なにか裏に事情があるのでは、と疑うくらいにしておいた方が無難です。
なお、不用品回収業者でも不用品の中からリサイクルできるものや資源回収できるものを業者側が選別して、その買取分を相殺することもあります。
不用品買取業者ができること
不用品買取業者の場合は、ブランド品や古書、古着、あるいは古銭など、はっきりと価値がわかるものに対して査定をし、買い取りをします。
業者によって買い取り内容は様々で、リサイクルショップなどと連携してリサイクル可能な家電や家具を買い取る業者や、古書などを主に扱う業者もあれば、ブランド品などに限定して買い取る業者もあります。
中には店舗用の什器や食器類、さらには工具まで買い取るというような業者もあり、こちらもそれぞれの扱う範囲が異なっています。
大抵の場合は、家まで出張という形で査定を依頼することが可能で、まず電話やFAXで連絡をするのが一般的です。
査定自体は無料で、提示された金額に納得できなければ売却を求めないというのも通例です。
しかし、いざ査定となったらそれ以外の貴金属などの鑑定もしますなどと言葉巧みに誘われて、売るつもりの無かったものまで売ることになって後悔した、などのトラブルも起こっています。
家に来られてしまうことに不安のある方は、1人で対応しないなどの対策が有効です。
このように、不用品買取業者は分別していない不用品の中から価値がありそうなものを見つけ出し、それを査定してほしい、というような要望には対応していません。
自分で分別をして、その中から売却できそうなものを選ぶ必要があるものの、高額で買い取りが成立することもあるでしょう。
このように、不用品回収業者と不用品買取業者では、業務内容の違いがかなりあるのです。
分別する手間や時間を省きたい、自分で選別できないほどの大量の不用品がある、家具などの価値がはっきりしないものが含まれる、廃棄せざるを得ないものが多い、などの場合は不用品回収業者へ。基本的に不用品の回収には費用が発生し、買い取れるものが含まれていた場合にのみ相殺されることがもあるというのが、基本的なビジネスモデルです。
一方、自分で分別や選別を済ませており、アンティークやブランド品、貴金属など、価値が明らかにあるとわかるものがある、リサイクルできそうなものがある、未開封だったり未使用のものが多くある、事務用品や厨房機器など一般的に販売されていないものが含まれているなどの場合は、不用品買取業者へ。
基本的には買い取った商品をリサイクル品として再び販売することで利益を得ているので、
意外なものが高額で買い取られる可能性もあります。
いずれの場合も業者間での対応内容に差があるので、複数の業者に見積もりや査定を依頼して、後悔しないように業者の選定をするようにしましょう。