コラム
正しいエアコンの処分方法
買い換える時にはあまり問題は無いかもしれませんが、エアコンを単純に廃棄しようとした
場合、どんな方法が考えられるでしょうか。
もしかしたら、自治体の粗大ごみ回収に出せると思っている方が居るかもしれませんが、それは大きな間違いです。
エアコンや冷蔵庫など、特定の家電製品は、適切な廃棄方法を取らな買った場合、環境破壊に繋がる可能性が高いのです。
そして、材料やパーツなどを適宜リサイクルすることで、資源の有効活用と廃棄物の減少にも役立てようという趣旨から、2001年(平成13年)4月1日より家電リサイクル法と呼ばれる法律が施行されました。
家電リサイクル法では、エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機を「家電4品目」と呼び、廃棄物として処理する場合には、排出者(家電を捨てる人)がリサイクル料を負担して、指定を受けた業者に処理を依頼しなければなりません。
家電リサイクル法の制定は、リサイクルの推進とともに、不法投棄を防いで環境負荷を軽減し、保全に役立てようということも含んでなされたもの。
エアコンは不法に廃棄された場合、特に環境に与える影響が大きな家電です。
ここではそんなエアコンを、正しく処分する方法をご紹介して参りましょう。
エアコンを処分する代表的な方法
エアコンの処分は、家電リサイクル法によって基本的には有料になります。
ただ、場合によっては利益に繋がったり、無料で回収が可能になることもあります。
不用品買取業者やリサイクルショップ、フリマアプリを利用する
購入してからあまり時間が経っていないものなどは、再利用できる可能性が高くなります。
5年程度を目安に、購入してからの経過がそれ以内で、動作に問題がなく綺麗であれば、買取り可能になることもあります。
その場合は不用品の買取り業者やリサイクルショップに連絡して、見積もりを依頼してみましょう。
エアコンの場合は取り外しの工事が必要になりますから、その場合の費用はどうなるのかなども、見積もりの際に確認が必要です。
一つ注意が必要なのですが、エアコンは、素人が取り外しできるものではありません。
リサイクルショップなどでは、取り外したものを店舗に持ち帰ってから動作の確認をする場合もあります。
勝手に作業したことで、買い取ってもらえる状態だったのに、壊してしまうことがあるかもしれませんから、指示を待たずに作業してしまわないようにしてください。
また、買取可能であるのか、どれくらいの価格になるのかの見積もりができるサイトなどもありますから、試しに利用してみてください。
フリマアプリやオークションサイトでも、エアコンが出品されていることがあります。
しかし前述した通り、エアコンは素人が簡単に取り外しできる構造ではありません。
知識が無いまま作業して、自分では上手く外せたと思っても、きちんと作動しなくなっている可能性もあります。
また、冷却用のガスは漏れ出すと環境に高い負荷をかけてしまいます。
家電リサイクル法の指定業者というのは、それを漏らさず回収できる設備や技術を持っているのです。
自分で取り外して、分解してパーツ用のジャンク品として出品しようなどと、素人が考えるものではありません。
家電販売店に依頼する
エアコンを買い換える際であれば、販売店に回収を依頼できます。
この場合でも、家電リサイクル法で定められた費用の負担は必要になります。
もし販売店が下取りをしていれば、その費用が相殺されたり、値引きに繋がることもあるでしょう。
買い替えではなく、廃棄だけしてほしいという場合には、購入した店舗に依頼することになりますが、引っ越しなどで遠方になったり、店舗が閉店してしまった場合には、家電量販店などに処分のみ依頼する方法があります。
この場合、家電リサイクル法で定められたリサイクル料と、収集・運搬料金、取り外しの工事費などを請求されるのが一般的ですので、どの程度の費用が必要なのかは事前に確認してください。
不用品回収業者に依頼する
昨今の断捨離ブームなどの影響か、チラシなどでよく見かけるのが不用品回収業者です。
とにかく時間がない、手間をかけたくない場合には、この不用品回収業者に依頼することをおすすめします。
不用品回収業ですから費用が発生するのは当然ですが、取り外しや搬出、処分までに対応しているうえ、なによりそうした作業に慣れているので、スムーズにことが運ぶでしょう。
不用品回収業者を利用する場合、まず見積もりの依頼をして、費用をすり合わせたうえで契約となりますから、数社に見積り依頼をして比較検討をするのが一般的です。
また、不用品回収業者の場合は改修費用を総量で算出して、パック料金のようにしていることもあります。
もしそうであれば、他の不用品も一緒に回収依頼をしてしまうのも一つの方法です。
見積もり依頼の際に、どういうケースが考えられるか詳しく訊いて、総合的に判断しましょう。
なお、無料の不用品回収業者として、軽トラックなどでアナウンスを流しながら巡回している業者がありますが、近寄らないのが無難です。
何故なら、大抵の場合は壊れていても無料で回収するとうたっていますが、リサイクル品として売却できないエアコンのようなものを引き取っても、業者に利益が出るはずが無いからです。
そこで利益を出そうとした場合、家電リサイクル法で指定された引き取り業者でもないのに、違法に分解をして部品だけ売却を図ろうとしているか、あとは依頼した相手から利益を得る、つまり無料といいながら費用を請求するつもりだということです。
実際、運び出してトラックに積み込もうという時になってから、高額な運搬費用の請求をされた事例の報告もあります。
廃棄するものなので、なるべくなら無料で済ませたいという心理につけ込む手口には、注意が必要です。
指定取引場所に持ち込む
家電リサイクル法の対象になっている家電製品は、家電リサイクル券を購入すれば、誰でも指定取引場所に持ち込むことが可能です。
家電リサイクル券は、郵便局に備えてありますから、指定された内容に記入して料金を支払えば、手続きが完了したことになります。
ただ、前述したように、エアコンは自分で取り外しができるとは考えないでください。
この方法を取りたい場合には、技術のある人に工事だけ依頼して、持ち込みだけを行うようにしましょう。
とはいえ、室外機はかなりの重量がありますから、運搬作業などには注意が必要です。
なお、エアコンの家電リサイクル料金は、2020年4月1日の時点で、990円から2,000円となっています。
家電4品目の中でも、エアコンの処分を自分1人で行うのは非常にハードルが高くなっています。
配管や配線の複雑さがありますから、費用を安く抑えようとしたばかりに、かえって手間や費用がかかってしまう事態も考えられます。
不用品回収業者は、様々な事例に対処するのに慣れていて、見積もりでサービス内容を比較できますから、まず連絡をして話をしてみるのも良いでしょう。
環境を守り、資源を有効に活用するためにも、きちんと対応できる専門業者に処分を任せることをおすすめします。